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ステガノグラフと言う言葉を御存じであろうか。ステガノグラフとは絵等の中に情報を暗号として隠す事をいうのだが、日本語の検索エンジンを使っても殆ど何も引っ掛かってこないので、日本ではまだこの名前は殆どしられていないのではないだろうか。
2001年9月11日東部時間午前9時前後に史上空前のテロリズムが行われた。米国の、いや世界の金融の中心と言われる世界貿易センタービルや国防総省がハイジャックされた旅客機によって自爆テロを受け、貿易センタービルは両方とも崩壊、国防総省も甚大な被害を被った。この事件が発生した直後、Net上に物凄い数のアクセスが殺到し、殆どのニュースサイトが情報の更新が滞る程のトラフィックと情報量を流した。最初は事件の状況と被害の実体を伝える情報が殆どであったが、2日たった9月13日頃には事件の背景や犯行グループの存在、行動が朧気ながら判明してきた。< それによるとかねてから当局によってアフリカでのアメリカ大使館同時爆破テロで告発されているウサマビンラディン率いるイスラム原理主義者の一団がかなり用意周到にアメリカ国内にスリーパーという名前で潜伏し、旅客機の操縦やその他の計画を練っていたというものだ。
しかしどうもそれだけではなかったようだ。彼等スリーパーたちは情報の共有にmailを使うだけでは安心できなかったようで、さらに情報を暗号化してやり取りしていたようだ。ただ、一般にもかなり普及してきているPGPようなかたちだと、暗号化されている事自身が怪しまれると考えたのだろう。彼等はポルノサイトやスポーツサイトの画像掲示板に情報を忍ばせた画像を掲載し、それを解読する事で秘密の情報を共有していたらしい。この画像に情報を埋め込む技術がステガノグラフィーというわけだ。 USAトゥデーが2001年の6月19日に伝えたところによると(http://www.usatoday.com/life/cyber/tech/2001-02-05-binladen.htm)、ビンラディンらは「スポーツ関係のチャットルームやポルノ関係の掲示板などのウェブサイトに、テロ行為のターゲットの地図や写真を隠すとともに、テロリストたちへの指示を掲載していると、米国および外国の当局筋が話している」という。 実はステガノグラフィー自体は別段新しい技術ではない。ステガノグラフィーには有名な歴史がある。ギリシアの歴史家ヘロドトスが伝えているところによると、ある頭のよいギリシア人が、侵略が行なわれるという秘密の警告メッセージを木片に走り書きし、それを蝋びきの書板の下に隠して送ったという。第三者には、何も書かれていない書板が目に映るだけだ。 第2次世界対戦中には、枢軸国側のスパイも連合国側のスパイも、目に見えないインクなどを使っていた。暖めると色の濃くなる牛乳や果汁、尿等を使ったあぶり出しや、文書中の鍵となる文字の上にごく小さな穴を開けたりした。穴の開いた文字を組み合わせると、メッセージになるなどいまでは映画等でもお馴染みの仕組みだ。 現代のステガノグラフィーでは、はるかに強力な手段が使われる。WhiteNoiseStormやS-Toolsといったソフトウェアを使えば、他人の目が気になる者も、メッセージをデジタル情報に埋め込んで受け手に送ることができる。この場合、通常はオーディオファイルやビデオファイル、静止画像ファイルなどが使われる。 これらのソフトウェアはふつう、デジタル化されたファイルのまったく目立たないビットの中に情報を保存する。これらのビットは人間の目や耳では検知できないような方法で変更させることができる。このページに掲載されている論文によると(http://www.jjtc.com/stegdoc/sec313.html)、メッセージが挿入される前と後のシェークスピアの肖像画のJPEGファイルが示されている、大きな違いは一切見られない。また、ステガノグラフィーは、ほぼすべての種類のファイルで使用できる。 SnowというProgramでは、テキストファイルや電子メールメッセージの各行末に余分の空白スペースを加えることでメッセージを隠す。
ステガナラシスの研究は、とらえどころがないように見えるかもしれないが、警察と軍事への応用ということでは重要な意味がある。
また、ステガノグラフィーに近い技術として最近関心が高まっているのは、特に著作権保護用のデジタル透かし技術だ。出版社や放送局の中には、デジタル作品がごく簡単にコピーできることを懸念して、電子版の書籍・音楽・映像に、著作権マークや通し番号を暗号化して埋め込む方向に向かっているところもある。 参考までにだが、ステガノグラフィーと暗号は、ひとまとめに語られることが多いが、実際は異なる技術だ。ステガノグラフィーは検出されないことを目指すものだが、暗号は、検出された後もメッセージを秘密にしておくためにコードを使う。
第1世代のステガノグラフィー・プログラムは、通常、画像のピクセルを表わすデータのうち、もっとも目立たない部分に情報を埋め込んでいた。しかし、画像ファイル..特に圧縮されたもの..にはしばしば予測可能なパターンがあり、そのパターンは別のものが挿入されると乱される。埋め込まれるメッセージが長くなれば、それだけ観察者がステガノグラフィーを発見する可能性も高くなる。けれども、1MBのMP3ファイルに1バイトのメッセージ..イエス、ノーなど..が埋め込まれた場合、検出はほとんど不可能だろう。 研究者のロス・アンダーソンとフェイビアン・ペティトコラズは、1998年の論文にこう書いている。「より多くのステガノグラフィーの例が提供されれば、メッセージが埋め込まれるベースのテキストについての統計的推測がより効果的に行なわれる。その結果、ステガノグラフィーを使ってメッセージを隠す行為は、より発覚しやすくなるだろう(中略)何らかの暗号文が埋め込まれうるベースのテキストがあれば、必ずそこには、データの改変が全体のどの程度までなら気づかれずに済むかという比率がある」と2人は書いている。 しかしこのように隠されたメッセージ自体にさらに謎解きがはいっていたらおそらく解読されたとしてもそれを理解できるかはさらに別問題となる。いまnet上でのうわさでは彼等スリーパーなテロリストたちは以下のような文章で犯行の決行を知らされたらしい。
今、米国では報復や復習を唱えるものと暴力に暴力で対抗するなと唱える者が世論をまっぷたつにしている。人類の技術が進歩しても感情と理性の制御はちっとも進んでいないのかも知れない。
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